出かけるので、テレビを観られない母が、
「世界仰天ニュースで観たい話があるの。顔がすごい変形しちゃった女の人の話。代わりに観ておいて」
というので、テレビをつけながら仕事をしていたら、なんと、
口腔ガンのため顔が変形してしまった女性の話、でした。
口腔ガンは、口の中にできるガンの総称で、舌,口底,頬粘膜,上顎歯肉,下顎歯肉,硬口蓋などにできるガン。
日本では、口腔ガン患者は、年々増加し、乳がん、胃がん、子宮頸がんよりも死亡率の高い、死亡率46%だという。
毎年、3000人が死亡している。
理由は、口腔ガンは、ガン全体の1%以下で、口腔ガン自体の認知度が低く、初期では、口内炎のようだったり、組織の変色だったり、目立たないため、発見が遅れるためだという。
まさか、そんな病気だとは思わないよね。若ければ尚更。
歯茎や顎などにできると、腫瘍を手術で取り除くのにも、顔が変形してしまう。
彼女は、腫瘍を摘出できず、腫瘍が大きくなってしまい、早期に適切な治療を受けられなかったこともあり、28歳の若さで、告知から1年10ヶ月で亡くなってしまった。
亡くなるまでの間、口腔ガンの認知度をあげるため、愛する人のために、変形した自分の顔をSNSにアップし続けたという。
そういう話を聞くと、あの時点で日本で診断をしてもらおうという判断をし、日本の医療制度のおかげで、適切な治療を受けられたというのは、本当に幸運なことだったのだと改めて思ってしまう。
いつまでも後ろを向いているようで、ガンについて話をするのも好きではなかったのだけれども、そういう病気が存在するということを知ってもらうだけで、進行する前に気づく人が増えるのであれば、やっぱり、経験は語ったほうが良いのかな。
少なくとも、私の周りの人たちは、当初は、「そんなガンがあるの?知らなかった」という人が多かったけれども、私の舌癌の話を通して、「そういうガンがある」ということを今では認識している。
なんだったら、もっと写真でも撮っておけば良かった(笑)