先週末、アクラから車で2時間半(渋滞にはまると4時間ぐらい)のところにある、ラグーンで知られる、トーゴにも近いVolta region の海岸沿いの町、Ketaに行ってきました。
Keta という名の町もあるのですが、その周辺の村や町も含めた地域を総称してKeta ということが多いそうで、東京駅があって、23 区全体を東京と呼ぶのと同じような感覚なのかなと思います。
ケタには、主にEweという部族の人々が暮らしています。
ガーナの土は、赤土が多いのですが、ここの土は貝殻が混ざっているのか白っぽいのが印象的でした。
この町に最初に訪れたのは、他のヨーロッパ諸国との争いに巻き込まれずに拠点を築けると考えたデンマーク人で、アルコールを売り始めたそうです。
14世紀から20世紀後半にかけて、交易で栄え、名だたる銀行も拠点を構え、アクラのように大きな町だったと言います。
しかし、深刻な海面上昇による浸食で、1960年代から1980年代にかけて、町が海の下に沈み、多くのコミュニティーが姿を消してしまいました。
今では、商業活動がなくなり衰退し、銀行も町に一つだけ。住民もアクラなどの都市部へ移住してしまい、今は農業と漁業で生計を立てている人ばかりです。
ガーナ政府も、$94million をかけて、防波堤を作り、海岸線を押し上げようとしてきました。
その防波堤の一つがこれです。
防波堤の上から撮ったので、分かりづらいですが、海へと突き出す岩の塊。
こういう岩の塊が、何本か、まっすぐ海に向かって伸びています。
Keta/erosion/breakwater などのキーワードでグーグル検索すると、上空からの防波堤写真などが見られます。
このおかげで、町のメインストリートまで波がきていたのが、海岸線が押し上げられたそうです。
しかし、防波堤の保護から取り残されたコミュニティーは、未だに浸食が続いているエリアもあります。
自然災害にあっても、「運が悪かったね、残念」と、政府が何か保証や手助けをしてくれるわけではないガーナで、恐らく、初めてと言っても良いような救済策が行われ、政府が家を失った人のために建てた公営住宅?のような整然としたコミュニティーがありました。
温暖化がこのまま進むと、ケタだけでなく、2050年にはガーナの多くの沿岸部の町が沈んでしまうというレポートも出ています。