ガーナのUber事情

ガーナでは、Uber Eats の代わりに、Bolt food というアプリが人気でした。

とは言っても、首都アクラのみで(日本でも東京近郊だけかな?)、レストラン数も限られてはいましたが、その使い方、運用は日本で使うUber Eats と同じでとても便利でスムーズでした。

違うのは、決済方法で、Cash on Delivery が選択できるようになっているのですが、デリバリーの人がお釣りを持っていないので、チップで上げるか、あとで、Bolt で使えるクレジットにするか選択できる点だけがちょっと異なりました。

コロナ前にこのアプリは存在していたのかわかりませんが、あまり普及していなかったような使っている人はまずいなかった気がします。

Uber があんなに流行っているのに、foodに関しては、Uber Eats ではなくBoltが市場を取っているのは、何でなんだろう?と気になりました。

Uberの評判がちょっと悪いからかな?と邪推してみたり。

というのも、Uberは、最初ガーナ市場に参入した時に、運転手側の手数料が無料で簡単に使えるものでした。

日本のようにタクシー組合などがなく政府の介入がないので、そこで、バッと市場を取り、利用者も増えたところで、運転手への手数料をどんどん上げていきました。

今では、25%が手数料として取られるようです。

仲介マージンで25%って、かなり高いですよね。

資本主義的には非常にスマートな手法ですが、個人的には、ドライバーに同情してしまいます。

カード決済もでき、出張者としては経費精算が便利なので、クレジットカード決済をデフォルト設定にしていましたが、そうすると、運転手に嫌がられ、キャンセルされることも多々ありました。

「今日は、朝からカード客ばかりで食べられないよ。だから、現金にしてくれないか?」と言われることも。

地方では、スマートフォンを使わない人もいるので、まだタクシーが健在ですが、アクラ市中のタクシー数はかなり減った感じがします。

既に、みんながそのシステムを使うようになってしまっているので、今更、高いからと言って利用しないという選択肢がないのです。

そのせいか、以前は、空き時間に本業とは別に小遣い稼ぎでやっている人もいて、車もエアコン付きのまともなものが多く、タクシーより良心的な値段で乗り心地も良かったのですが、今は、タクシーからUberのドライバーに移行した人しかいなくなり、車の質はかなり落ちた感じがしました。

このUberの出現により、利用者としては、本当に街中の移動が楽になりました。

信頼できる公共交通機関が日本のようにないガーナでは、どう移動するか、車がないと本当に不便だったからです。

毎回、運転手と運賃交渉をして、行ったはいいものの、帰りのタクシーが拾いにくいところではどうしたら良いか?市内でも一日貸し切るしかなかったり、友達にピックアップを頼まなくてはならなかったりしたからです。

こういうのを、Disruptive innovation 「破壊的イノベーション」って言うのかなと思ったりしました。

関連記事

PAGE TOP