カフェなどで見かける「グルテンフリー」という言葉。
グルテンが含まれていないという意味ですが、そもそもグルテンが何か、なぜグルテンフリーが良いのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか?
<グルテンとは?>
小麦粉に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」というたんぱく質が、水を加えて小麦粉をこねることで、この2つタンパク質が絡み合い「グルテン」になります。小麦粉が水を含むとベタベタするのは、このためです。
グルテンには、食品に弾力を持たせる性質があり、パンやケーキなどのお菓子のやわらかさはグルテンによって生み出されており、美味しさの源でもあります。
<グルテンの何が問題なのか?>
このグルテンは消化されにくいタンパク質で分解されにくいため、便として身体の外に出ず、腸の粘膜の中に貼り付いて異物となってしまいます。
そして粘膜が弱くなってしまうと、腸や身体に異変が起こり始めます。結果、粘膜が炎症を起こして腸内環境を悪化させます。腸内環境が悪いと、様々な不調の原因になってしまうことがあるため、懸念されているのです。
<グルテンフリーという概念が生まれた背景>
そもそもグルテンフリーは、小麦食中心の欧米で年々増加するセリアック病患者や小麦アレルギーを患っている人の食事療法として開発されました。セリアック病とは、グルテンを摂取することで腸の細胞が破壊されてしまい、腹痛や倦怠感など様々な不調が出てしまう病気です。
遺伝子組換え小麦の毒性は明確になっていませんが、現代の小麦は、遺伝子組み換え技術で改造され、血糖を上昇させる作用が強く、体を「老化」させると懸念する専門家もいます。
一方、問題は、小麦そのものではなく、ふすまと麦芽の胚種のほとんどが取り除いて製粉する現代の加工法にあるという見立てもあり、実際のところ、小麦とグルテンの問題には、更なる検証が必要な段階です。
<グルテン不耐症かも?>
グルテンは、ピザやお好み焼き、天ぷら、お菓子、カレールーといった小麦粉や小麦粉を使用した加工品に含まれるため、米を主食としている日本人であっても現在は比較的口にする機会が多い成分です。アレルギーとまではいかないまでも、気づかずにグルテン不耐症(過敏症)の人も多くいます。
世界的なテニスプレーヤーであるノバク・ジョコビッチ選手が、「グルテンフリーの食事にしたことで体の調子が良くなった」などとコメントしたことで、健康的な食事法として認知が高まりました。
グルテン過敏症の人がグルテンフリーの食事にすると、便秘や下痢の解消、腸内環境の改善などの効果があるといわれます。腸内環境が整えば、肌荒れやニキビなどの肌トラブルが改善する可能性も期待できます。また、グルテンの影響で倦怠感・疲労感などがある場合も、グルテンフリーで改善される可能性があります。
お腹の張りが気になったり、便秘や下痢、肌の不調などのトラブルがある方は、小麦粉を含む食品を食べた前後の自身の体調を比較して検証してみるとよいかもしれません。
私自身は、しばらくグルテンを控えていてパスタなどを食べると胃に重い感じを受けます。ただ、お腹の張りが気になるのは、ふわふわのパン(イースト菌が多い)を食べた時や、豆類を食べた時に起きる気がします。
パンの種類にもよりますが、パンには砂糖やバターが含まれることが多いので、グルテンを完全に避けるというよりも、パンはなるべく控え、焼き菓子などは代替がある時にはグルテンフリーに変えるようにしています。
<グルテンフリーの生活にするには?>
グルテンフリーの生活は、小麦粉を避けることや、小麦粉の代わりに、米粉を使用する食品に置き換えることでも可能です。グルテンフリーの製菓は、食べると胃に優しい軽い感じがすると思います。物足りなさを感じる方もいるかもしれません。
また、タピオカやスーパーフードのキヌアなども、もちもちとして腹持ちが良い食材ですが、グルテンは含まれていません。