神戸製鋼の長年に渡る品質不正問題を受けて、信用なしにビジネスなんて成り立たないなと改めて思いました。
納品された部品のデータを再度検証するなんてコストも手間もかけられないから、自主検査を実施するにしたって、限度があるわけです。
だから、やっぱりアナログかもしれないけれど、その組織や人を見ることは重要だなと思います。
(それだって防ぎきれないけれど)
問題が生じたときの責任の所在とか、返金特例とか、契約書があったわけではないけれど、輸入したモリンガパウダーに関しては、両生産者とも、返金に応じてくれました。
「使えないもの売ったんだから、当たり前でしょ!」って、日本なら思うかもしれませんが、アフリカでは、ギリギリで回しながら運営している中で、応じたくても、手元にキャッシュがなくて応じられないケースが多々あります。
契約書があったとしても、それを尊重し、履行しなければ意味がないので、(裁判費用のほうが高く、時間もかかるので現実的ではない)最初に契約書を作り込んで・・・というのは、実際には大手との取り引き以外、小さな会社とやりとりするには、あまり意味がないのです。
最初の生産者は、「わかった」と言った数日後、「売り上げをあげて現金を用意しなきゃいけないから、少し時間をくれ」と言い、このまま、流れてしまうケースかなと思いきや、「用意ができた」と、自らきちんと連絡をくれました。
もう一方の生産者は、代わりの原料を送料負担で送ってくれるという約束でしたが、当初の想定より、原因の究明に時間がかかり、一時停止した生産を開始する予定がずれ込んでいることから、輸送費も含め、原材料費をとりあえず返金してくれました。
人を見て選んでいて良かったと、やっぱり今の姿勢で進めていこうと思えました。
今は、年内にモリンガパウダーを届けられるようにというのを目標に、様々な生産者とコンタクトを取り、現地パートナーに私の代理でミーティングをしてもらいながら、動いています。
逆の立場になって考えてみると、日本で実施した検査結果は、全て日本語なので、私が簡易的に英訳して見せていますから、もし、私たちの間に信頼関係がなければ、私がでっち上げているという議論に発展することだってありうるわけです。
だから、ミスは人間だから仕方がないにしても(それを糧にどう改善するかが重要)、好きな人たちと仕事をするというのは、基本だなと思います。
欧米の大手企業からのアプローチも受けている生産者ですが、俯瞰して見ると、今回、大きなロットでの取り引きでなく、まして、身内とも言える私たちの間で起きたということは、今後の取引量が拡大する前に、衛生管理を向上させるきっかけとなり、お互いにとって不幸中の幸いだったと考えるようになりました。