米英仏が合同でシリアを攻撃するって、
誰を攻撃するのだろう?
アサド政権の「化学兵器施設」に対する局所攻撃っていうけれども、
イラクのときだって、結局、攻撃の理由となった大量破壊兵器なんてなかったように、
政権が国民を生物兵器で攻撃しているなら、とんでもない話だけれども、
今回のアサド政権による「神経ガス」攻撃だって、どの情報が本当で、どの情報がでっち上げか、わかったもんじゃない。
もう、誰も、米国の「正義」なんて信用していない。
結局、どこの国の争いごとにも、裏で、コマのようにゲームを動かす大国の思惑が動いていて、
彼らは、傷つくことなく、犠牲になるのは、一般市民なのだ。
2012年9月に初めて会った、一緒にMBAを勉強したシリア人の友人は、
当時、「ダマスカス(首都)は、全然平気よ。なんでもないわ」と言っていた。
イスラム教国だけど、夜はナイトクラブで女性もガンガン踊るような、働く女性も多い、とてもリベラルな国だという。
私も、彼女に会って、「イスラム教徒の女性」のイメージが変わった。
でも、その一年で、あっという間に戦局が広がり、深刻になり、
首都に住んでいた彼女の家族は、海岸へと移動したという。
夜中、悪夢で目を覚まし、眠れなくなった彼女と、そんなときは、たわいもない話をして過ごすこともあった。
みんなで海外を旅すると、大抵、入管で「シリア」パスポートはひっかかり(アフリカもね)、冗談を言いながら笑ったものだ。
卒業後、そのままオランダで就職し、今もオランダで暮らす彼女は、「難民」ではなく、幸運だとも言えるけれども、思いがけず、祖国に帰れなくなり、家族とも会えなくなった。
アサドが独裁者なのは、みんな知っている。
でも、政治なんかどうでもよくて、
ほとんどの人は、ただ平和に家族と暮らしたいだけ。
そう言っていた彼女が、
今日、フェイスブックに、昔の綺麗だったシリアの街の写真をあげていて、
このニュースをどんな気持ちで受け止めているのだろうと思った。
「帰らない」のと、「帰れない」のは、違うよね。
“How are you?” とは言えない私が、
「綺麗な街だね。いつか行ってみたいな」と言うと、
彼女は、「いつか案内するわ」と返してくれた。