私は、ガーナの運転免許証を持っています。手に入れるまでに1年近くかかりましたが…
日本では、ペーパーゴールドの私が、運転するのは、日本人が運転をやめるガーナだけ。
スカイダイビングもしたことがありますが、ガーナでの運転は、スカイダイビングより、断然エキサイティングです。
久しぶりに、郊外を楽しく運転していた時のこと。
検問で、警官に止められました。(大きい良い車や外国人が乗っていると、止められやすいです。お金持ってそうなので)
不備がないか、入念に車をチェックする警察官。
免許証を見せろというので、絡まれても、つけこまれる隙はないわ!と思いながら、有効期限内の免許証を見せたら、
「2年毎の更新をしていないな、おまえ」
と言われました。
はい?何ですか?その更新って??
日本のように教習のようなものもないし、どういう手続きをしなくてはならないかなんて情報を与えられることはありません。
ガーナでは「知らないのが悪い」ということが多く、モーターウェイでも標識もなければ、一方通行でも標識もなかったり。
しかも、以外に誰もがこなしきれないほど色々な制度や手続きがあって、非現実的なので、誰も従っていないということがとても多いです。
免許証だって、免許証を発行する機械が壊れていて、発行できなかったり(笑)
だいたい、免許証なしに運転している人なんて、ごまんといるのに、
「チハルオオヤマ、交通法違反で逮捕するぞ」
と言って、
言った張本人の警察官も、そのおかしさに、フフッと笑う。
もちろん、昨日今日ガーナに来たわけではないので、そんなことを本気にとることもなく、その意図を、
コイツ、払うまで放さない気だな
と解釈。
みんな直接的に、「金を払え」とは言わないのです。
先を急いでいたので、致し方なく、ちょこっと支払うと、すんなり去っていく警察官。
結局、その日は、スピードを出していたわけでもないのに、検問で2回引っかかりました。
初めてガーナに来た頃は、こういうことが本当に嫌で、自分が外国人だからか集られているような気がした時期がありましたが、最近は、外国人だからではなく、そういう人は、誰にでもそうするものだということに気づきました。
ほとんどのガーナ人は、外国人にむしろ親切ですし、値段を外国人だからといってふっかけたりすることもありません。
先日も、ラッシュアワーにタクシーを拾えずに困っていたら、トロトロのメイトが次のポイントまで無料で乗せてくれ、「そこから拾うと良いよ」と教えてくれました。
また、警察官のこういった慣習も、それにはそれなりの理由があることを知るようになりました。
というのも、日本のように、交通違反切符のような制度がなく、交通違反=その場で逮捕(住所システムがないので)=起訴=裁判というシステムになっているので、もちろん、そんなプロセスをマイナーな違反に実際に課すことはできず、一種の私刑として罰金を課すという側面と、警察官も給料だけでは安すぎて生活ができない水準に設定されていたり、支払いがされないこともあるため、役職の特権を利用して稼がないと生活が成り立たないということもあるのだそうです。
制度と現実の乖離、これは、制度が制度として機能するのが当たり前の日本での習慣になれた日本人にとって、アフリカで何かするときに、ぶち当たる壁の一つかと思います。