最近、内輪で流行っている本がある。
「幻獣ムベンベを追え」
新刊でもなく、「今さら?」とよく知っている高野さんファンも多いのではないかと思うけれど、
面白いから読んでほしいという友人の紹介で、読んでみたら、漫画のように面白い。
アフリカ、コンゴの伝説の怪獣ムベンベ(ネッシーのような湖に住むという怪獣)を発見するために、コンゴに乗り込むというアドベンチャーの話。
本当に、ただ、それだけの話で、奥深さや泣けてくる(笑って泣けるはあるかもしれない)話は一切ないのだけれど、「面白そう!」で行ってしまう、その変態さが素晴らしく良い。
自分と同じ臭いを感じてしまう(笑)
私も冒険したくなってきた。
この本を読みながら思いついたのは、「ガーナで何か掘り当てる」という探す対象すらわかっていないアドベンチャーだ。
余談だが、うちのガーナのパートナーの曾おじいちゃんは、23人の妻との間に、96人の子供をもうけたという伝説の人だ。
村一つ作ったようなものだ。子供の名前すら、全員覚えていないだろう。
Ketaのチーフだったという。
想像してほしい。そこから一人何人子供をもうけるかしらないが、どれだけ拡大しているかを。
だから、アクラでも、知らないうちに、彼の親戚に会うことがある。
ファーストネームで紹介して話しているので、最初は気づかないのだが、ファミリーネームになったときに、「あれ?同じ名字。もしかして・・・?」となったことが、数度ある。
ガーナでは、同じ名字ということは、どこかで必ず血縁関係が繋がっている。
このチーフシステム、父から子へ受け継がれるものだが、その継承順位が複雑だ。
例えば、奥さんが二人A、Bといた場合、Aに息子C、D。Bに息子E、Fといた時に、継承順位は、CDEFとなるわけではなく、C、E、B、Fとなるらしい。
23人も妻がいたら、誰も計算できないぐらいややこしい。(正しく計算できるとは思えない)
そして、この継承順位は必ずではなく、ロビー活動で逆転できるという。
この話を聞いたときに、「チーフになって土地を持てるのか?ケタも、クマシのように金が出ないのか?」と血が騒いだのだが、
「いや、俺は、アクラで生まれ育ったシティボーイだ。風習も儀式も何も知らないし、俺の番になる頃には、俺は死んでいるだろう」
「それに、ケタは、金も何も出ない。あるのは、塩ぐらいだ」
「それどころか、海の浸食で、土地すら減っている。由々しき事態だ」
ビーチハウスぐらいなら建てられるだろうが、それすら、波にさらわれてしまうかもしれないという。
なんてことだ。同じチーフでも雲泥の差だ。
クマシでは、キラキラ金を纏っているというのに。
最近、彼の叔父がケタ近くのKedziでチーフに就任したという。
アクラから車で4時間ぐらい。同じく、海に近く何も特産品はない。
でも、掘れば何か鉱物が出るかもしれないじゃないか。
誰も試したことがないのだから。
せめて、掘ればルビーが出るかもしれないぐらいの言い伝えがあってほしいが、
他のガーナの土地からは、金もダイヤモンドも出ているのだ。
口利きはできるので、採掘許可はどうにかなる。
何か掘り当てたいという変態がいれば、協力できるかもしれない。
結局、潮干狩りがいいところかもしれないが(笑)