とあるイベントで、ガーナ人起業家Philip Ayesu氏の話を聞く機会があり、感銘を受けたという話をパートナーがシェアしてくれた。
ストリートビジネスから始め、Multimedia Group のCEO にセールス手腕を見出され、Airtimeを売るようになり、Sales Executiveに抜擢、the Head of the client service に上り詰め、6年働いた後、現在のビジネスパートナーからアプローチを受け、X-Men という男性用理容室をスタートした。
ミドルクラスから、アッパーミドルクラスを対象にした、グルーミングで、通常の床屋だと、長い列にならんで、教室のような冴えないところに座わらされて、髪を切られるのが、ストレスで、むしろ、理容師を家に呼んでカットしてもらえないかという不満から始めたビジネスだという。
ブルーライトで飾った室内に(ちょっとナイトクラブのようで私はリラックスできないけど 笑)、ゆったりとした椅子をしつらえ、リラックスできるような理容室を作った。
髪を切って、シャンプーをし、最後には首と足のマッサージ付き。
マニキュア、ペディキュア、フェイシャルケアのサービスも提供している。
彼の友人は、誰もが「Bad ideaだ。誰が、通常の3-4倍もの値段をヘアカットに払うか」と言ったが、ブランディングに注力し、ターゲット層の顧客に好意的に受け入れられるようになった。
Philip氏は、もともと、37 Military Hospital 近くのバラックで生まれ育った。
幼少期は、路上に立ち、空港に向かう人たちに向けて、ビスケット、チューイングガムなど、様々なものを頭に乗せて、売れるものならなんでも売って歩いたという。
父親は、軍のドライバーで、母親は、読み書きのできない売り子だった。
母親は、彼に売買における基本的な顧客サービスを教えてくれたが、家族も彼も、教育の重要性を感じなかったので、学校の成績はふるわなかったそうだ。英語は今でもあまり得意ではないという。
彼は、授業は真面目に受けていなかったが、学校でもビジネスをしていたという。
路上で売り子をして稼いだお金で、ブリーフケースを買い、朝、空のブリーフケースに、学校で必要になるようなもの、文房具などを購入して入れては、学校で生徒に売っていたという。
学校で唯一の売店なので、売上は上々。
ちょっと他の生徒よりも、良い服を着るようになり、もてはやされたという。
ところが、ある日、路上で売り子をしているところを同級生に発見された。
学校では笑われ、同級生にからかわれた。
多感な年頃の子供ならば、傷ついたり、恥ずかしく思いそうなところだが、
「なんだ。そんなことがおかしいのか」と、
彼は全く気に留めなかったという。
なぜか?と聞いたら、
「貧しい生まれで、学もないし、別に、もともとエゴがないから、
そんなことは気にもならないよ」
謙虚さが重要だということだ。
プライドやエゴがあるから、批判や助言に対して、ディフェンシブになったり、素直に受け入れられなかったり、周囲の反応に傷ついたり憤ったり反応してしまう。
Be humble
謙虚じゃなきゃいけないね。
しばらく、ボスもなく、組織で人に揉まれて働いていない私たちにとっては、
耳の痛い、でも有難い話だった。