ジェネリック医薬品とは、新薬(先発薬)の特許が切れた後に販売される、新薬と同じ有効成分の薬です。
開発費が少なくてすむぶん、販売価格も患者の自己負担も抑えられる特徴があります。
薬局では、ジェネリック薬品がある場合、ジェネリック薬品を勧められますよね。
こうしてジェネリック医薬品を勧める背景には、「医療費削減」を目指す政府の方針が影響しています。
医療機関や調剤薬局では、ジェネリック使用割合に応じて報酬加算が行なわれるからです。
2013年に46.9%だったジェネリックの使用割合は、2020年9月には78.3%に達し、政府目標の「2020年9月までに80%」をほぼ達成しています。
しかし、「同じ成分です」と言われるジェネリック薬品ですが、実際には有効成分だけ同じで、全てが同じ成分ではありません。
有効成分が同じでも、他の添加物が異なることがあり、実際には同じ薬とは言えないからです。
ですから、私は、ジェネリック薬品は選びません。
『医者はジェネリックを飲まない』(幻冬舎)の著者で医師の志賀貢氏は、
「私自身、ジェネリックは飲みません。医師は先発薬と後発薬で効果や副作用に違いが見られることを臨床現場で実感しています。ただでさえ使用に二の足を踏むところ、メーカー不正などのトラブルが相次ぎ、不信感に拍車がかかっているのです」
と言います。
同じ薬ですという説明が普及していますが、そう言ってしまうのは、ミスリーディングで乱暴な気がします。
2020年2月、日医工では、組織的な不正が発覚。2020年12月、小林化工では、経口抗真菌剤(水虫薬)に睡眠導入剤の成分が誤って混入していたことがわかっています。
2020年9月のジェネリック使用率のデータからも、医師ほどジェネリックを使用しない実態が伺えます。
ジェネリックの使用率は、全国平均は約8割ですが、医師やその家族らが加入する各都道府県の「医師国民健康保険組合」では、平均“約6割”にとどまり、全体平均を大きく下回っています。
先発薬メーカーから公認を受けた『オーソライズドジェネリック』や、先発品と原薬・添加物などの原料や、製造方法・製造場所が同じ『オートジェネリック』というものであれば、飲んでも良いという医師の意見もあります。
ただ、たくさんある薬の成分を素人が調べるのは大変ですよね。
私自身は、薬のお世話になる機会は、1年に1回あるかないかというぐらいですので、多少、先発薬が高くてもなんてことない出費。そのため、ジェネリック薬品を選ぶことはありません。
慢性的な疾患があり、薬を常用される方は尚更のこと、よくその薬を調べた上で、どちらにするか判断されるのが良いと思います。