テレビはあまり見ないのだけれど、日本のテレビでたまに観るのが、「世界不思議発見」「世界の果てまでイッテQ!」と「しくじり先生」。
昨日は、「しくじり先生presents 中田歴史塾」で、インド史について話していましたね。
実は、起業して以来、インドの会社ってすごいなあと思うことが多々あって。
まず、IT関係の仕事の見積りをとると、(仕事の質は別として)ヨーロッパでの同じ見積りの10分の1近くて、驚いたり。
ガーナの会社まで、結構頻繁にあちこちからセールスのメールが届いたり。
ガーナの会社まで、セールスの電話がかかってきたり。
日本語だけのウェブサイトしかないのに、モリンガオイルの売り込みメールが届いたり。
そのアグレッシブさに驚くし、それだけ競争が激しいということなのだと思う。
インド人は、タイ(まあ、タイはインドから近いが)にもたくさんいるが、ガーナにもたくさんいて、ガーナでは貿易関係の仕事をしていることが多い。
まあ、中国人もそうだけど、人口が多いから、国から出て、世界中どこにでもいると言ってしまえばそれまでなのだけれども(笑)
と、同時に、番組を見て、驚いたのが、一般的に、インド=ITのイメージがある人が少ないようだということだ。
日本は、島国で、国内市場も大きいから、ガラパゴス化しがち。
最近、以前よりは、少し関心が外にも向いているのかなという気もするが、日本語で報道される海外のニュースも限られているし、あまりにも、外の世界のことに無関心のように感じる。
私が魅了されるのは、自分の知らない世界、違う世界、未知の経験なのだと思う。
私は子供のころ、「外国人とお話しできるようになりたいの」と言って、英会話を習いたいと母にねだったらしいが、当時から、外の世界に興味があった。
夢中になって読んだのは、「風と共に去ぬ」や、欧米の歴史に絡んだものばかり。
つまり、嗜好は昔からあまり変わっていないのだ。
最近、本当に面白いなと感じるのが、当然といえば、当然なのだが、人が「惹かれるポイント」は、それぞれ違っているということだ。
ガーナで出会った日本人も、皆、そこに行き着いた理由は様々で、
「開発金融」という仕事に情熱を傾ける人。
日本の伝統建築、文化に魅了され、歴史的建物の保存、有効利用をビジネスにしたいと目する人。
お世話になった村の大好きな人たちために、そこで暮らす子供達の将来のためにNGOを立ち上げる人。
汗をかきながら働く、自分の力で生きる、力強いガーナ人に魅了される人。
どんなところに惹かれ、突き動かされて、今があるのか。
そこは、理屈ではない、フィーリングなのだろう。
それぞれ違うものに魅了され、自らの意志で歩んでいる人たちと、交差し、互いの経験なり、想いを交わしていくという、出会いが楽しい。
海外で、特にニッチな場所だと、その出会いは、より興味深く印象的になりがちだ。
今の日本の事業、JUJUBODYも、その延長戦に成り立っている。
ぶっちゃけた話、それこそ、モリンガオイルは、インドから輸入すれば、安価だし、ガーナから輸入するより輸送コストも安く、利幅はずっと大きくなる。
効率だけを考えたら、大手の化粧品会社はもちろんコストが安い方を選択するだろう。(精製するのならば、元のオイルの抽出方法や質なんて関係ないし)
でも、それをしてしまったら、こんな小さな会社の存在意義はなくなってしまう。
私は、ガーナで出会ったサプライヤーの情熱に共感して、そのモリンガオイルのクオリティーに感動して、自分が気に入ったこのモリンガオイルを日本に紹介したいから始めたのだ。
アメリカに住んでいて、MITを卒業したのなら、いくらでも、今よりもっと楽して稼げる仕事に就けるのに、あえて、母国に戻って、貢献したいという気持ちに、それがどれだけ厄介な道のりか実感しただけに尚更、ああ、こういうクレージーな人たちと一緒に仕事したいなというだけなのだ。
ガーナでは、これまであまり行われていなかったモリンガのオイルを抽出する技術をMITで開発し、現金収入の少ない農家に、モリンガを植え、それを買い取り、モリンガオイルを抽出してガーナ国内外で販売している。
JUJUBODYは、北米に起点がある彼らがリーチできない、アジアマーケットを担っている。
彼らは、これまでに、250,000本以上のモリンガの木が植林され、1000軒以上の農家、収入を4倍にまで増加させている。
一夜で大きなことはできないけれども、自分の周りから、小さな変化が生み出せれば良い。
明治維新期に、海外で学んだ日本人が帰国し、日本の近代化、発展に寄与したように、ガーナを発展させるのは、こうした教養と志ある若いガーナ人だ。
外国人ではない。
私は、そういうチャレンジャーな心意気が好きなんだなあ。