日本の学校教育では、国語の時間、「読み取り」が重視される。
「この時、主人公は何を感じていたか?」など、
相手の意図を読み取る、汲み取ることはあっても、
「あなたはどう思いますか?」と問われることは、ほとんどない。
自分の考えを長く述べるのは、夏休みの宿題になる読書感想文ぐらいではないだろうか。
答えは、既に何パターンか用意されていて、そこから正解を選ぶのが常だ。
一方、欧米では、「自分がどう考えるか」を常に発しなくてはいけない。
正解は、目の前に用意されていない。
白紙から自分で正解を作り出す。
マークシート式の回答ではなく、エッセイが重視され、入学試験で必須で求められるのも、大きな違いだ。
この長年受けた学校教育の違いは、私たち日本人の考え方、行動に、とても大きく影響していると思う。
自分で考えるのが苦手で、手っ取り早く答えを探そうとしてしまうのだ。
今年に入り、オイルの特性や、クレイ、アロマなどを詳しく勉強するようになり、
そこから植物療法や自然療法をまた覗くようになって思ったのが、
なぜ、こんなに有効なものが、もっと広まらないのか?ということだった。
この日本人の自分で答えを見つけるのではなく、答えを教えてもらうのが好きな性質と、他国に例を見ない厳しさの薬機法が原因かなと思う。
なぜなら、植物療法とか、自然療法は、手っ取り早く知ることができるものではない。
効果は人によって違うから、自分に合う方法を見つけるまで、
試行錯誤を繰り返しながら、自分なりの正解を求めるものだからだ。
勉強も必要だし、今日、明日結果が出るわけではないから、忍耐も必要だ。
西洋医学を捨てようとか、薬は全て悪だと言っているのでは決してなく、
自助努力は、とても大切だと思う。
最近になって、ようやく日本の病院が単純な風邪にも抗生物質を処方するので、
処方しないようお達しが出るようになった。
やたらに抗生物質をとるため、耐性菌が増えていることが問題になっているからだ。
日本は医療費が安いので、ちょっとした風邪でも病院に行くけれど、
欧米では、よほど具合が悪くない限りは、病院には行かない。
その代わり、サプリメントや植物療法と言っても、大げさなものではなく、
ビタミンCをフルールでとって、寝ようという感じだ。
オルタナティブ療法、食事、植物などを使った治療法が広まらないのは、薬機法(旧薬事法)にも原因がある。
日本の薬機法は、「薬と認定されたもの以外は、効果がない」という前提でできているから、ストレートに、「こういう症状には、これがいいですよ」とパッケージに書くことができない。
そのため、化粧品会社や健康食品会社は、頭を悩ませながら、抵触しない表現を探すハメになる。
例えば、ヨーロッパで、化粧水として人気のあるローズマリーウォーターがある。
なんでも、昔、70代のハンガリーの王妃が、その化粧水を使っていて、20代の王子からプロポーズされたそうで、「若返りの水」と呼ばれているそうだ。
「そういう面白いストーリーを伝えたいけど、若返りの水なんてPOPに書けないよねえ」という話になった。
薬機法のためだ。
会った人に話はできるけれども、そういう広告はうてない。
でも、誰が、本当に若返れると思うだろうか?
「ああ、エイジングケアに良いのね!」って思うだけだろうに。
そして、そういう情報を消費者はむしろ知りたいはずだ。
ちなみに、一般消費者はみんな驚くけれども、
薬機法では、「アンチエイジング」はアウトで、「エイジングケア」はOKなのだ。
なぜかというと、エイジング(老化)をアンチ(止める)ことはできないけれど、
エイジング(老化)をケアすることはできるからという理由だ。
でも、一般の人は、アンチエイジングの方が馴染みがあるし、どちらも同じように捉えるのだから、どうでも良くない?バカバカしいって思ってしまう。
薬機法は、言葉尻を捕らえるゲームのようになってきている。
もともとは、ただの「水」を「ガンが治る」と言って、高値で売ったりするような悪徳なケースを取り締まるために、どんどん厳しくなったのだけれども、同時に、そのせいで、情報も入りづらくなっていってしまっている。
自分で考えられない消費者を法で守っているのかもしれないが、過保護になりすぎ、情報統制するのは共産国のようで不健全だと思う。
日本は、よく民主主義を装った共産国だと揶揄されるけれども、
その通りだと思うことが度々ある。
ちなみに、ロシアの試験も、マーク式で記述はほとんどないそうだ。
ああ、そうか、上のいうことを素直に聞き入れる、疑問を持たない考えない人間が求められるからか・・・
あれ?なんだか、これって日本と重なるじゃないか!
やっぱり、これまでの教育を見直し、改善すべき時がきたと思う。
個人がたくさんの情報の中から、精査し選択する力を養得るように。