ここ1年で、ガーナで目覚ましい普及を遂げたのが、モバイルマネーだ。
当たり前のように、日常生活で利用されるようになってきたという。
2013年にマーケットリサーチを行った際には、国民生活に根付いているケニアのモバイルマネーと異なり、大手通信会社数社が多額の投資を行い参入しているものの、利用者数(非公表)は全く追いついていない状況だった。
政府と民間がタッグを組んで一つのプラットフォームを作り上げたケニアに比べ、その成功例を元に、民間主導でそれぞれのネッットワークがモバイルマネーのプラットフォームを作り上げたガーナは、違うネットワーク同士では送金ができないというディスアドバンテージがあった。
今ではその問題もクリアされ、どのネットワーク間でも送金できるようになり、派手な広告宣伝の効果が効き、利用者を獲得、確実に増やしている。
そして、特質すべきなのは、エージェントの存在だ。
ちょっと面倒なモバイルマネーを使った取引だが、アカウントを持たない人でも、エージェントオフィスで依頼すれば、面倒な操作は全てエージェントに任せ、送金金額の1%の金額を払うことで、送金ができる。同じく、1%の手数料でキャッシュが受け取れる。
こうしたエージェントの普及も、モバイルマネーの普及に大きく寄与している。
うちのオフィスの直ぐ近くにもモバイルマネーのエージェントオフィスができていた。オフィスといっても、大層なものではなく、キヨスクのようなもの。
車など足のない人からすれば、ATMに行くのだって交通費もかかるし、大変だが、歩いていける近所にあれば、とても便利だ。
銀行の支店やATM設置の手間やコストを考慮すると、モバイルマネーエージェントオフィスの設置は安価で容易だ。
都市部から離れるほど、モバイルマネーの利便性が目立つことだろう。
やはり、携帯が、アフリカで欠かせないインフラであることは疑いようもない。